「(株)カジハラ・ラボは2025年6月中旬より、MUTECH(ミューテック)ブランドのMC型カートリッジ「RM-HAYATE 颯」を発売いたします。」
ミューテックは2015年、MC型カートリッジだけを作る先鋭的なメーカーとして神田栄治が立ち上げたブランドです。第一号機のLH-M以来、一貫して独自に開発したヨークレスのリングマグネット方式の磁気回路を採り入れ、変換効率を高めるとともにリニアリティに優れた製品を作り続けて参りました。
この度発売する「RM-HAYATE」は、こうしたミューテックのノウハウを盛り込み磁気回路を極限までシンプルな形状にすることで、さらなる音質の向上を図った新世代機です。
ミューテックの主宰者だった神田栄治は惜しまれつつも2020年にその生涯を閉じています。
神田の意思とノウハウを受け継ぐカジハラ・ラボのプロデュースの元、石山昭子の手により、生前神田が遺した設計図を基に一品一品製作しています。
本機は、リング状の磁石で構成した磁気回路の中に発電コイルを埋め込む特殊な構造を採用しています。磁性材料にはネオジムマグネット#50を用い、ここに独自に開発したコア材《SS-μM》を配して発電効率を最大限に高め、低インピーダンス化と高出力化を両立いたしました。さらに磁性材に金メッキを施すことで、磁気回路の制振と磁力の安定性を図っています。
カンチレバーには剛性の高い無垢のボロンを、スタイラスチップには無垢のセミラインコンタクト針を採用し、トレーシング能力を向上させました。このカンチレバーと一体となる発電コイルには線径を太くしたOFC材を用いていますが、巻き数の最適化を図るとともに一層巻に仕上げてインダクタンスを低減し音のクリアネスを向上させています。また出力端子のピンの素材を見直し、様々なトライアルの結果、プロテリアル金属製の導電率の高いOFC材を採用。加えてこのターミナルピンに従来のロジウムメッキからCROSS POINT社の「HYAKUSIKI」特殊金メッキ技術を用いた肉厚な金メッキへと変更することで、サウンドのクォリティを大幅に高めています。
端子とコイルのリード線の接続用に、新たに専用のハンダを開発し、ダイナミックレンジと低音域の再現性を高めることにも成功しました。
アナログファンはもちろん、すでにミューテックの革新的なサウンドを体験していただいているオーディオファンにもお届けしたい製品に仕上がったと自負しています。これまでに培ったノウハウとその集大成が、音楽再生の新たなる一ページを切り拓く「RM-HAYATE 颯」の豊潤で馥郁とした表現力とエネルギー感に満ちたサウンドをぜひお楽しみください。
製品名 | 価格(税込) |
RM-HAYATE | ¥638,000 |
RM-HAYATE 《颯》 製品仕様 |
発電方式 | ヨークレス・リングマグネット式MC型カートリッジ |
適正針圧範囲 | 0.45mV(1kHz 3.45cm/sec ) |
再生周波数範囲 | 1.8~2.0g |
内部インピーダンス | 1.75Ω |
クロストーク | 30dB以上(1kHz) |
チャンネルバランス | 0.5dB以内(1kHz) |
スタイラスチップ | セミラインコンタクト |
カンチレバー | φ0.3mm 無垢ボロン |
ターミナルピン | ・OFC銅(プロテリアル金属製の導電率の高い OFC) ・超肉厚金メッキ (CROSS POINT社最高峰の技術「HYAKUSHIKI」により。 |
自重 | 7.4g |
針交換 | 発電ユニット交換 |